私が馬革に魅了されたのは、もともと障害者向けの義肢装具用の革を生産していたからです。
馬革は牛革に比べて軽く、油分が多く扱いやすいという特徴があります。
また、伸縮性があり、皮膚にも優しいので、義肢装具に最適な素材だと思います。
馬皮は数が少ないので、牛皮も使っていますが、昔は馬2割、牛8割だったのが、今は逆転して馬革の割合が多くなりました。
馬革を脱クロム処理してタンニンを入れる方法で仕上げているものもあります。
これによって馬革はカチッと締まって、加工しやすくなります。
その特徴を活かして、パラフィン加工などを施すことで、ジャケット向けの革やバッグ向けの革など、様々な用途に対応できるようになりました。
靴の裏革にも馬革は人気があります。
牛革と馬革と同じ仕上げをした場合、馬革のほうが空気を通します。
表面から水を垂らして絞ってみると、馬革は水を通過しますが、牛革は通過しません。
これは馬革の優れた機能だと思います。